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仁井見氏

プロフィールはこちらをご参照ください。

「出会い」と「経験」が生き方を決める
学生時代の頃に、文芸評論家亀井勝一郎氏の『青春論』を読みました。内容は、若者向け
の人生論です。人生において最も重要なものは「邂逅(かいこう)」、つまり様々な人と
の「出会い」である、ということが書いてありました。 当時の私は、これに強い違和感を
覚えました。「出会いとは所詮は偶然で人の一生が偶然に左右されるなんて納得できない
し、自ら『選ぶ』ことが『自由』ということではないか」、と。そして私は、希望大学に
は落ちてしまい二次募集で大学に進んだ私のその後の人生は、思いがけない体験の連続で
した。まず、先輩方が就職出来ない世の中の現状。とても大きな影響を受け、進路につい
て何も決められていなかった私が、自分こそは!と大学1年から就職活動を始める決心を
しました。今度こそは、自らが希望する道を「選んで」就職をしました。しかし、入社
後、日本の企業にいれば絶対安泰だと考えていた私に落とし穴。
氷河期の背景で外資系企業や、会社間の合併が盛んに行われた時代でした。
この時期に私は、自分で選んだ「結婚」と「離婚」をも経験し、親の勘当を背に「新たな
挑戦」に向かって行きました。
時代の背景とともに、次に自分が「選んだ」影響は、外資系企業です。全てのことを新た
に1からスタートをしてゆこう!と「選んだ」この道への経験は、想像以上にわたし自身
を苦しめ、厳しい経験とともに、成長をさせられたものでした。
学生時代に住んだ、都会からは離れているこの街から再スタートをはじめました。
ダンボール一つだけで、北向き1階にある3畳一間のアパートを借り生活をはじめまし
た。それからの毎日が、肉体的にも過酷な労働状況と、精神的なプレッシャーの中で追わ
れる日々。孤独と葛藤の間でやり過ごしていました。もちろんこの全ての路を「選んだ」
自分に弱音など吐けるはずがありません。
この三畳一間から絶対に抜け出し、這い上がる目標を掲げ、一心不乱となり仕事で成果を
出して行きました。そしていよいよ、自信とお金を手に入れて、都内の中心地に住まいを
変えました。そんな生活の中で、私は気がつくのです。笑顔の作り方を忘れている自分
に。自分が「何のために」「何故これをしているのか」「これからどうなってゆきたいの
か」。ココに来てようやく、自分探しに時間をかけました。
全ての出来事には、意味のないものなど無いと感じます。これまでの経験は、私の根本的
な思想に相違があることに気づかせてくれたのです。
「選ぶ」ことが「自由」に結び付くことではなく、「出会った」選択から「経験」をする
ことで、自分というものが出来てゆくのです。
これまでの全ての経験は、精神的にも肉体的にも私自身に気づきを与え、「チカラ」に変
わってゆきました。
結局、いま私が最終的にセラピストとして、人のココロやカラダのケアをしていきたいと
考えた根本の多くは、偶然出会った選択からの経験と、その背景の強い影響の下にあると
いうことです。カラダでは急性乳がんの腫瘍摘出手術の貴重な経験が出来たことで、ココ
ロもカラダも同じように大切にして行かなくてはいけないことへの気づきになりました。
こうした経験から、私は「出会い」と「経験」の重要性を実感しています。「自由にな
る」とは、私が思っていたこととは、だいぶ違う意味だったようです。
みなさんはこれからを通してたくさんの仲間や先輩方、さらには多くの紆余曲折な経験と
交わり、様々な「出会い」と「経験」をしてゆくと思います。
「なりたい自分」「なりたくない自分」「期待したい自分」様々な思いで、決断をしてい
くと思います。人は、どんな「経験」でもたくさんの「経験」をして、創られてゆくもの
だと思います。そして、その経験が、たくさんの環境に柔軟に対応できるチカラに変わ
り、苦労した苦い経験も、人の思いが解ってあげられる味方にも変わります。
そして、その意味とするものは、“内面の美しさ”と“外見の美しさ”に比例するものだと考え
ます。人の美しさは、外見で決定できるものではなく、経験から培った内面からの美しさ
が、一番光っていると思います。出会いや経験のチャンスは、人の多さとは直接関係があ
りません。出会いのチャンスは、皆さんが自ら他者と「ふれあいたい」と 願う積極的な気
持ちと「苦しくても、挑戦してみたい!」という前向きな気持ちを、どれだけ強く持って
いるかということによって大きく広がります。
皆さんと同じ時間や空間を一緒に生きていきたいと思っている仲間がたくさんいます。そ
のような素晴らしい環境を十分に活かして、いつまでも自分らしく、素晴らしいライフを
創り出していって欲しいと思います。
そのためには、一番大切な「ココロとカラダのケア」も、忘れないでくださいね。