沙耶エッセイ~ちいさな小さなラジオ局~
第五回「会話は全てキャッチボール」
声のお仕事のひとつとして、「インタビュアー」という仕事があります。
ラジオでもゲスト様をお迎えして、その方の素敵な部分を引き出す、という
重要な任務といっても過言ではないと思います。
誰しもが考え方・感じ方が違うように、人は様々な方がいらっしゃいます。
特にインタビューのお仕事の時に気をつけなければならないのは、お客様が
お話し易い状況を作るということだとわたしは思っています。
お話が好きな方・苦手な方、本当に十人十色です。
一番大切なことは、インタビューするその人間自身の第一印象がとても重要だということです。入試試験の面接官・就職するときの面接官・オーディションを受ける時も、ドキドキしながら面接会場に向かいますよね・・・・
そんなとき、印象が良い・話しやすい・温かさを感じた面接官にあったとき
緊張のなかでも、ご自分を出せたというご経験はないでしょうか?
インタビューを受けられる方も、全く同じ気持ちだと思います。
特に、トークショーやラジオのゲスト様とのお打合せ時間はあまりございません。事前に頂いているお客様の情報のチェック、それから、聴いていいこと
NGなこと、一番お話されたいポイントを瞬時に察する力が必須となってきます。その少ない時間の間にインタビューをする方はどれだけお客様に対して
安心する印象を与えるかです。そしてその方が何を一番アピールして欲しいのかを心底理解する人間力。あくまでも、わたしの持論ではありますがそれに尽きると思っています.
会話とは、全てキャッチボールです。どれだけ相手のことを思ってお話ができるのか?勿論インタビューをする方の事前情報をリサーチして、そこを引き出すことも大切です。
伝えたいことは何なのか?インタビューをするゲスト様の魅力を引き出せるよう努力する。ゲストのお話に耳を傾けてください。そうすれば、その方が本当は何が言いたいのか、また、そこから、質問する内容なども見えてくるはずなのです。
お話することに慣れていない方もおられると思います。
全て何事も「上手くやろう」という計算はあまりいい結果には繋がらないのではないかと、今までの経験上痛感していることです。
数々の出会いは一期一会です。上手くいくことばかりではありませんが
大切に一人ひとりに対して、丁寧にお仕事をしてゆくことが沢山の経験を積み
自信や楽しさにも繋がってきます。
温かい太陽の下には沢山のひとが集まってくるように、わたしたちも、
温かさを持って、お客様となる方に接してゆきたいですね。
言葉はキャッチボール。一方向の会話ほど聞いていて楽しくないものはありません。双方向でお仕事でも、プライベートでも楽しい会話ができるように普段から心がけましょう。