沙耶エッセイ
~ちいさな小さなラジオ局~

第四回
「声の世界に生きて」

わたしが声のお仕事を始めた経緯は、第一回第二回のエッセイで
既にご紹介をさせて頂きましたよね。声を使ってお仕事をする・・・・・。
最近になって思うことがあります。わたしたちは、自分の身ひとつで
お仕事をしています、また、形にならない「声」を使ってギャラを頂いています。

若い頃は気づかなかった、形にならないものを商品とし、仕事をしてゆくということがこれほどまでに大変なものか・・・ということも感じるようになったのは事実です。人間は、形のあるものを欲しがりそこに価値を見出す傾向が強いのは否めないと思います。でも、形のないものがどれだけ大切なものなのかも知っている生き物です。いわば自分が持っている楽器を訓練し、磨きをかけて職業とさせていただいている。だから、人によって音色が違うのは当たり前だし表現をするにも、その人のニュアンスが出るから面白い・・・・

でも、人間のもつ生理ってほぼ一緒だと思うんですよね。
好み好みでないは別として、自然体で生理にあった、演技や語りをしている俳優さんなどをみてみると、人の心に落ちてくる演技は、俳優さん自身が身体の中で感じたものを受け取りそれを表現している、声のお仕事でも表現という意味では全く同じだと考えます。

喋るということで一番大切なのは、呼吸であったり、間をとったり声を発する前の作業が大切となってきます。

声を発するだけ、セリフを棒読みで読むだけでしたら健康な人間であれば誰でもできることです。人間は誰もが原石だと言われています。
「磨けば光る」わたしは声の世界で生きていますがどんな世界にいても
同じだと思っています。歌を歌うかた、役者さん、声優、ナレーターどれも通ずるところがある分野では、インナーマッスルを鍛えしっかりと身体の軸を作る。
絵を書く人であれば、デッサン力を磨く。営業であれば、その商品に惚れ込み
トークを磨く。全て自分を磨くことから始まるものです。

わたしは、子供の頃から声だけは褒められてきました「いい声だね」「綺麗な声」など、けれども正直、そういう方は世の中に沢山いるのです。
声に対してはDNA、両親から頂いたということに感謝し、自分の命を吹き込むようにお仕事をさせて頂きたいと思っております。

低い声・高い声・アニメのような声・ハスキーな声、本当に人間って
素晴らしい楽器ですよね。その人だけにしか出せない音色を誰もが持っているのですから。今回は、形にならないものの大切さをお話させて頂きました。
「声」あなただけしか持っていない、オリジナルな楽器。改めて声の世界で生きて行かれたいあなたは、どのように磨いていますか?
声、喉を大切にしてお仕事の意識を高めて下さいね。